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丸編生地を作り続けて

“モノづくりのまち”東大阪。ここが私たち文殊のホームグラウンドです。人々の暮らしを支えるさまざまな技術を持ち、こだわりのモノづくりをする中小企業がたくさん集まるこの東大阪の地で、私たちは丸編み生地を作り続けています。

編物は糸に連続したループを作り、つながることによって生地になります。中でも私たちが取り扱う丸編生地は、らせん状に糸のループがつながる、筒状に編まれた生地です。伸縮性のある優しい風合いの生地は、Tシャツや肌着など身近な衣服などに多く使われています。編み機の種類や大きさ、編み方、使う糸、加工、無限の可能性を持った組み合わせと、それに応じてしなやかに変化するループは、時に優しく、またある時は力強く、人々に寄り添う生地を生み出してきました。

東大阪で私たちのように繊維を取り扱う企業は今ではとても珍しい存在です。しかし、江戸時代に栄えた木綿産業を源流に発展させてきた企業は数多く存在します。その存在に励まされながら、私たちも丸編み生地を作る技術を磨いてきました。理想の生地を作るという仕事に誇りをもち、今に至るまで取り組み続けています。

時代の波により私たちの作る生地に求められるものも変化が求められ、生地の魅力を活かせる機会が徐々に失われている状況があることも否定できません。その状況がむしろ「丸編み生地の魅力をより知ってもらいたい」、「自らの手で丸編み生地を活かした製品を作ってみたい」、というアイデアへとつながっていきました。

BAGSBAGの誕生

そのアイデアを形にするために私たちはデザイナーと協働するという選択をします。デザイナーと共に丸編み生地の可能性を改めて見直しその特徴を活かせるものを探り、布という皆が昔から馴染みのある素材でいまの時代に何ができるのかを一つ一つ検証していきました。その中で、旅行や出張の時に目的に合わせて荷物を仕分けしてもそれぞれはバラバラで持ち運びが面倒だ…という小さな気づきが、BAGSBAGの誕生へとつながっていきます。

BAGSBAGは巾着袋の構造をしています。その袋が2つや3つ繋がることで新しい巾着袋の使い方を生み出せる可能性があるのではないか?という発想です。とてもシンプルで、だからこそ自由な使い方ができ、普段着の延長のような使い方のできるもの。本当にありそうでなかったもの。

そしてその巾着の大部分を占めるのは、私たちにとって何よりたいせつな丸編み生地なのです。毛羽を抑えてシルクのような光沢を出すために、上質なスーピマ綿の糸を1本1本磨き上げ、その糸の特長をそのまま生かせる編み機で丁寧に編んで、染色工程でも更に磨き上げています。日本酒で言えば“純米大吟醸”のような、まさに丸編みの“頂”に立つ生地を使用しています。

これはきっと、私たちにしか提案のできない生地の活かし方であり、そこから生まれる道具の使い方なのではないかと思うのです。少し大袈裟かもしれませんが、皆さんの暮らしの一部分を、ささやかながら私たちが提供できるのではないかと思っているのです。私たちならではの新しい製品、それがBAGSBAGです。

Overview

会社名 株式会社 文殊
所在地 〒577-0835
東大阪市柏田西3丁目6番1号
TEL 06-6726-7300
FAX 06-6726-7322
代表取締役 木村裕太
設立 1985年4月